はり灸 峰鍼堂 松本治療院

2023年9月のご挨拶

  

 猛暑の長い夏がやっと峠を過ぎ、そこここに小さい秋の有様を感じる日々がやってまいりました。
 この季節は台風が多く発生する時期でもあります。
 そして秋雨前線が日本列島に停滞し、驟雨が長く続くことになります。
 この気圧の変化は私たちの体には種々な痛みを発症する時節でもあります。
 特に高齢者にとっては、湿邪のいたずらで節々の痛みや、頭痛などで体調の変化をきたすことになります。
 そのような時には東洋医学による鍼灸治療が功を奏します。
 お陰様で、多くの区民の皆様に来院していただき、腰痛や肩痛を訴え本院の門を叩く患者さんがこの夏も少しずつですが増えて参りました。
 やがて秋のお彼岸を迎えいよいよ秋本番となります。
 そうすれば季節も安定して、野山に出かけ全身の体力の保持増進に最適の季節がやってまいります。
 毎日の運動を行うとともに、体調管理でぜひ鍼灸治療を受けていただくと、味覚の秋を満喫できると思います。
 今年もあと四か月となり、いつも本院をご愛顧いただき、区民の皆様方に改めて心よりお礼申し上げます。
 また毎日の健康作りの面でも、鍼灸治療を大いに活用して頂ければ幸いです。
 夕暮れが早くなり、悲哀を感じる季節でもあります。
 夏バテを早く解消して元通りの生活に戻し、健康に留意しながらお過ごしください。

                令和5年9月 吉日

 はり灸 峰鍼堂 松本治療院

   ・はり施術と一期一会・ No53

平成21年から読者の皆様に「一期一会」覧に、「臨床一口メモ」を報告しています。

 少し専門的になりますが本院で行っている便秘症の鍼治療について報告しましょう。
 体内に取り入れた食物が、東洋医学でいう腐熟化性作用が滞り便通が不調和となり数日排便機能が滞ることを便秘症と俗に言いますが、通常は一日おきに排便があれば特に問題はないのですが、三日以上いわゆるお通じの兆候がない場合には、これは便秘症として東洋医学では秘訣として取り扱うことになります。
 西洋医学的には水分を多く摂取すること等を指導しているようですが、それだけでは便秘を解消することは難しいようです。
 他には繊維製のある野菜や、海藻類なども便秘を解消するために摂取をするように言われますが、東洋医学では、五臓の性格肝木と腎水をコントロールする脾土に加えて肺・大腸の水を分ける働きを重んじます。
 大宇宙に住む人間は、肝木と腎水をコントロールする脾土によって小宇宙ともいわれる人間の食物の腐熟過性と排泄作用を調整することにより、便秘(秘訣)を解消することが可能になると思います。
 勿論運動なども必要です。
 そこで少し専門的になるのですが、天人相応論について触れながら、便秘症について取り上げてみましょう。
 まず古典に述べる秘結の節文をあげ、順を追って解説を加えてみましょう。
 総じて言えることですが、腎水(水の分化)と脾土(穀化)に外感・内傷の影響の程度の判別が便秘を解く要点となります。
 いわゆる秘結の処法は、食物の不通による便秘をまとめてみましょう。
 我々の臨床室には、便秘が主訴で来院する患者もみられますが、また、現病として肩こりや腰痛を訴え、随伴症状として便秘を訴える患者さんも少なくありません。
 その際に、やはり腹診は必須であります。
 特に腹部のお臍脇の両天枢の実証は、少し専門的になりますが、肺虚として右天枢の硬結に対し、腎虚に多いのですが、 負荷法(圧診)により、左手の列缺を取穴、迎補の右捻りの輸瀉法は、妙技の一つとして用いています。
 また下腹左の天枢以下の腹壁の緊張と、大巨穴周囲の気街部の便塊と思われます硬結と、腸内に貯留してと思われる便塊の状態を丹念に触診しなければなりません。
 このほか問診により、便意の状態や食生活の状況を問いただしながら、適切な指導を併せ行うことになります。
 中でも素因としての便秘症体質については、内臓下垂を含めて、総合的に診ていかなければなりません。
 鍼灸処法は標本一体の刺法が求められます。
 日常臨床において証立ては、腎虚・肝虚を軸に脾虚が多く、肺虚が絡むこともあります。
 便秘を主訴とする場合に現病の腹診は、肓兪・左天枢の硬結と圧痛を負荷し、足の腎経を導切により取穴することになります。
 特に五兪穴では「逆気して泄らす」を主治する合水と合土穴が適応穴位として選穴されます。
 標治法では、便秘点への刺法については、押手を皮膚にやや圧迫したまま腸骨稜より皮膚を伸ばしながら、骨盤内に徐々に刺入する刺法が求められます。
 また、仙骨部の硬結の処置が要点となることは当然のことです。
 一方腹部臍の水を分けるとされています水分と商曲及び右天枢の圧痛所見には右蠡溝と左列缺の絡穴の働きを活用するのも一法です。
 同時に右曲泉の合水穴に、負荷を加えた後、肝虚実証体質では、右天枢の実証に対し、呼吸法を用いて、右捻りの補鍼左皇孫と列缺もしくは内関を選穴すると良いでしょう。
 この際の手の肺経と心包経と腹部の中?穴との負荷による相関取穴法は必須であります。
 また左右の水道穴の硬結と手足の要穴への負荷法による刺鍼穴位の補法は便秘を解く接点となるのです。
 【当院の行う日本の伝統的鍼治療について】  現在行っています日本の伝統的鍼治療とは、中国に発祥した東洋医学思想を基 礎理論とし、日本の風土に培われて発展した臓腑経絡調整を目的とする鍼治療法 です。  毎日の臨床で主に用いているのは、細鍼により、微刺激で治療効果をもたらす 方式です。  当院が行う治療とは、「気」を通じさせ、全身の血液循環を良くして、痛みや コリを軽減させると共に、体質改善を図ることを目的とするものです。  使用する鍼はディスポーザブル鍼で、すべて滅菌されており衛生的に問題 はなく、安心して治療が受けられます。      **********

 【当院の行う日本の伝統的鍼治療について】

 現在行っています日本の伝統的鍼治療とは、中国に発祥した東洋医学思想を基礎理論とし、日本の風土に培われて発展した臓腑経絡調整を目的とする鍼治療法です。

 毎日の臨床で主に用いているのは、細鍼により、微刺激で治療効果をもたらす方式です。

 当院が行う治療とは、「気」を通じさせ、全身の血液循環を良くして、痛みやコリを軽減させると共に、体質改善を図ることを目的とするものです。

 使用する鍼は、ディスポーザブル鍼で、すべて滅菌されており、衛生的に問題はなく、安心して治療が受けられます。

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 【治療の内容】

@  診断  東洋医学理論による四診法(望診・聞診・問診・触診)を用い、手首の脈の状態と、皮膚の硬軟及び腹部の硬軟を診て、健康状態を判断します。

A  治療  呼吸法を用い、手足の経穴(最有効刺鍼点への施術)を治療した後、痛む部や緊張した部を、順に細鍼にて施術します。

B 治療は、爽快感を覚えるような手技を合わせ行いますのでご安心下さい。

C 施術時間は約40〜50分です。

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はり灸  松本治療院
    電話  (03)3678−4726

    〒132-0011 東京都江戸川区瑞江4−37−4

       都営新宿線 「瑞江駅」下車 北口より徒歩3分

         院 長  松本 俊吾